utteringUFOの日記

私とあなたの備忘録です

緩み

今日は春休みに入って初めて、どこにも出かけることなく家でダラダラとしていた。罪悪感や焦りがなくダラダラするのは久しぶりで、心地いい。昼間は床暖の効いたリビングにごろりと転がって、なんかの映画を背景にうとうとした。嫌だ嫌だと言いながら部屋の片付けを少しして、晩ご飯に手巻き寿司を食べて、少し書き物と読書をした。

平和だ。なんたる平和だ。げに恐ろしきかな緩み。心なしか顔も緩んだ気がする。ふわりふわりと日常が柔らかいので、鈍く胸の奥が痛むのもあまりわからない感じがして不穏に平和だった。

 

晩ご飯の最中、テレビではサザエさんがかかっていた。長谷川町子さん生誕100周年スペシャル仕様らしくて、サザエさん達が作者の人生を振り返る形式なのが面白かった。途中から見たので正確にはわからないが、サザエさんを描き始めて儲かった著者が海外のあちこちに飛ぶのを面白おかしく語ったエッセイ漫画のアニメ化のようである。淡々としているのだけれど、サザエさん達よりも実在の人物だからか顔の造り込みに個性が出ていた。作者は妹だったらしくて、美人に描かれた姉がマネジメントする形で共同経営していたらしい。また少し世間とズレた面白い方として母親が描かれていて、彼女に少し手を焼いたのも伺えた。今日のエッセイを観るにつけ、ワカメちゃんは長谷川町子の子供の頃、サザエさんは母親、フネさんが姉がそれぞれ元だったのではないかと思わされた。あくまでぼんやりとだが。

自由気ままに生きて海外にポンポンと飛ぶ身軽さは『るきさん』に通ずるところがあるなと感じつつ、漫画家が自身や家族を投影した長編漫画を描いていたのはさくらももこに似ているなとも思った。どちらも好きなのだが、長谷川町子の漫画は実はまだ読んだことがないので、今度エッセイ漫画辺りから読んでみようと思った。

上記の二人だけでなく、近藤聡乃の『ニューヨークで考え中』やモンゴメリの『赤毛のアン』、オルコットの『若草物語』なども昔から好きで、私はきっと女性の描く女性にずっと興味があるのだろうな。