utteringUFOの日記

私とあなたの備忘録です

鎧、境界、落書き帳

設計課題の提出に向けて大詰めを迎えている。そんな状況でのんびりデートをするわけにもいかないし、大人しく家と大学の往復を続ける一週間のはじまりはじまり......で憂鬱である。人によってはなんのことはないどころか、月一のデートで満足する人もいるのだろうが、去年の私たちが一週間に二、三回デートしていたことを思えば、一週間以上会えない状況は修行だ。

 

しかし、ただただ毎日つまらなく不貞腐れて課題をやるだけの日々は更につまらなさを加速させるだけなので、せめて生活の中に救いをもたらしてくれるものが服です。

私は浪人時代から早三年弱、「毎日違うコーディネートをする」というルールで生活を続けています。なかなかに難しいものですが、ワードローブが常にアップデートされる上に毎朝の刺激になる、最高のシステムを考案したな!と我ながらほくそ笑んで楽しむ日々です。

今日は、濃い浅葱色のタートルネックを中に仕込んだ白いデニムのビッグシャツを、青と真緑のチェック柄ロングスカートにインして黄緑のサスペンダーとターコイズブルーのベレー帽を添える、というのものでした。きちんと暖かく身を守るし締め付けもないのに、ボリューム感が下品じゃない程度に愉快で、青と緑の色彩の祭典が身体の上で行われているという事実は、ただ立っているだけでも豊かさをもたらしてくれました。

 

服はいいですよ。

私を守ってくれます、鎧のように。風や痛寒さのような物理的なものだけでなく、服の内側で起こる痛みを和らげてくれる心強い味方です。私を他者と区別する境界にもなってくれます。自分の輪郭が溶けて何もわからなくなってしまった時に私を私以上に明示してくれたり、くにゃりとへばった頭を持ち上げて背骨の代わりになってくれる日もあるのです。

しかし、それ以上に落書き帳みたいになるのです。私が今欲しい色や形をぶちまけて、自信作の絵を描いた子供のように周囲に見せて回ることのできる最高の装置。自分の身に纏って、周囲に見せびらかして、時によっては会話の糸口になる日替わりの芸術だから、こんなにも服は私にとって尊い物になるのでしょうね。

明日は落書き帳に何を描こうかな〜〜とワードローブの中から最強のアイテムを思い起こして組み合わせる脳味噌で、ベッドに入る瞬間が一番笑顔かもしれません。