utteringUFOの日記

私とあなたの備忘録です

新宿紀行

失くしたマイナンバー通知書の再交付申請というタスクを朝のうちに終えて、その足でコーヒー片手に新宿へ向かった。

 

まずは伊勢丹でチョコ探し。嬉々として片っ端から試食して、平日の昼間から賑わうバレンタイン催事場の隙間を縫う。週末にはどんな混雑になってしまうのか、想像するだけで恐ろしい。だから今日こそ決めようと意気込んだのに、どれも可愛くて決められない。チョコ本体の飾り付けはもちろんのこと、箱や缶まで可愛い。チョコを自分や友人や恋人のために選び抜く人たちの表情も好き。

色んな売り子さんに「一周してまた戻ってきます!」と伝えながら全てのお店を見て、食べて、見て......全くタイプの違う二種類にまで絞り込んだ。「どうしても決められない、どっちもあげたい。そういえばもう付き合って1年以上経ったからバレンタインチョコをあげるのは2回目だ。2個あげちゃえ!」という安直な思考によって、伊勢丹を去る私の手には可愛い紙袋が2つ。でも両手で抱えきれないほどのチョコの紙袋を持って宅配サービスへ向かうご婦人も見かけたから、まだまだマシな方だろう。

 

二月の最大イベントへの準備を整え肩の荷が降りたところで、昼ごはんを食べる。一人の時でもしっかり食べないと悲しくなってしまうので、パラパラの炒飯とザクザクの餃子の定食を。両サイドのリーマンたちが騒がしいのでイヤホンをして、ダウンロードしておいたアニメを観ながら食べるというお行儀の悪さも発揮します。

 

さあ、腹拵えをしたらば、電車で予約しておいた映画へ。おすすめされたアカデミー賞候補作、『ジョジョ・ラビット』。戦時中、ナチスに傾倒しヒトラーをイマジナリーフレンドに持つ10歳の少年のお話だ。最初は随所で笑い声が聞こえつつ私も笑っていたけれど、途中からまだクライマックスでもないのにずびずび泣いてしまった。ラストの方など、もう、もう。

泣く行為が付随する映画が絶対にいい映画だとは思わない。でも感情を大きく揺さぶるほどの意義あるメッセージ性やストーリー、映像の豊かさを持っている映画を評価したいと思っていて、そういう意味では笑いと泣きを行ったり来たりさせるこの映画は良い作りだと思う。色彩豊かな小道具や舞台、主役たちの高い演技力、当時の様々な背景や役割を感じさせるキャラクター、褪せることなく伝えるべき考え、それを今の時代に合わせて表現する時のユーモア。どの要素も文句のつけようがなく素晴らしかった。

映画同士を比較することにあまり意味があるとは思えないし、つべこべ言わず全部観るのがベストだけれど(映画は体験だから)、アカデミー賞候補同士ということで先日観たパラサイトと比較するなら、私は断然ジョジョ・ラビットを推す。fox searchlight picturesに感謝しなければ。映画冒頭の可愛い字幕出しと同じニュアンスで仕上げられたパンフレットも気づいたら買ってしまっていた。

 

TOHOシネマズ新宿のてっぺんから顔を出すゴジラがちょうど吠えるのを後にしながら、ゴミの匂いが充満する新宿・歌舞伎町を足早に抜けて、まだまだ私はお子様だと自分の街へ帰った。