utteringUFOの日記

私とあなたの備忘録です

春がきた

2023年3月9日(木)

今日は随分暖かい日だった。
ニットではなくブラウスを着たし、花粉症はいつもよりひどかったし、電車に乗り込むと冷房までついていた。
いよいよ冬から春に変わったのを強く感じながら、私は一人そわそわしていた。

火曜日に最終面接を受けた企業から、今週中にお返事をしますと言われながら待っていた。ただ木のように待っているわけにはいかないので、大学院の先輩と食事の約束を入れていた。カフェに寄ってから商店街を散歩していた時、電話は来た。

喜びの成分があったならば、それが全身を駆け巡るのを視認できるような感覚になるのを感じながら電話越しに内定のお知らせを聞いていた。安っぽいが自分のことではないようだった。徐々に書類等の事務的な説明に移っていった頃、電話のために離れてくれていた先輩に向かって親指を立ててにこにこしてぴょんぴょん飛び跳ねる自分がいた。

丁重にお礼を言いながら電話を切って、まず恋人にLINEをした。次に母に送ると、待ち遠しかったのかすぐに「おめでとう!!!」と来た。Twitterにも「就活おわりました!!!!!」と投稿すると次々といいねとお祝いコメントが届いた。花が次々と咲く春のようにお祝いされるその様子に、どこか既視感があった。辿ればすぐに発見され、それは大学受験終了の時だった。

でもその時よりも嬉しい。大学受験は一応希望する勉強ができるところに入れたものの、滑り止めで、悔しさも歯痒さもあった。でも今回は違う。私が就活をするに当たって最初に書き出した条件を全て満たしていて、面接や人事の人とのコミュニケーションを通しても「ここだ!」という感触があった。

今まで行ってきた苦行から逃れられるという開放感以上に、自分の未来に対して希望を持てるという新しい感覚も手に入れた。それは親元を離れて、自分で生活費を稼ぐ手立てを得たという安心感も、その喜びを手伝っていたと思う。

自立に向けて道筋が見えた。

内定がでた、春がきた。